カンボジアってどんな国?
住んでいるからわかるカンボジアをお伝えします
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ナナミスターの清水です
はじめまして。清水と申します。シェムリアップに暮らして10年、現在はナナミスターで日本企業のカンボジア進出をサポートしています。観光地としてのアンコールワットのイメージが強いカンボジアですが、実際に暮らしてみると、人々の生活の温かさや急速に変わりつつある街の姿、そしてまだあまり知られていない文化や日常がたくさんあります。ここでは旅行者向けの情報だけでなく、生活者の視点から見えるリアルなカンボジアをお伝えできばと思います。
カンボジアの都市について

カンボジアにはいくつか代表的な都市があり、それぞれに特徴があります。私の生活経験も交えながら、ざっとご紹介しますね。
プノンペン(Phnom Penh)
首都であり、政治・経済の中心です。外資系企業や銀行、ショッピングモールも多く、都市化が進んでいます。一方でトンレサップ川沿いには昔ながらの市場や屋台も多く、近代と伝統が混ざり合った独特の雰囲気があります。最近は高層ビルも増え、東南アジアの成長都市らしさを感じます。
シェムリアップ(Siem Reap)
私が住んでいる街です。世界遺産アンコール遺跡群の玄関口として有名で、観光業が街の中心にあります。ただ観光客だけの街ではなく、ローカルな市場や田園風景もすぐ近くにあり、暮らしやすい規模感です。外国人居住者も多く、国際色豊かなコミュニティがあるのも特徴です。
バッタンバン(Battambang)
農業が盛んな地域で、カンボジアの米どころとして知られています。落ち着いた雰囲気で、フランス統治時代のコロニアル建築が残っており、芸術や文化活動も活発です。観光開発は控えめですが、その分「素のカンボジア」を感じられる街です。
シアヌークビル(Sihanoukville)
カンボジア唯一の本格的な港町で、ビーチリゾートとしても有名です。近年は中国資本の大型開発が進み、カジノや高層ホテルが急増しました。ただ、ローカルの漁村や美しい島々もあり、観光とビジネスの両方の顔を持っています。
カンボジアの物価について

カンボジアは「安い国」というイメージを持たれることが多いですが、実際はジャンルや場所によってかなり差があります。
食事
ローカル食堂でクイティウ(米麺のスープ)や焼き飯を食べれば1〜2ドル(約150〜300円)で済みます。屋台のバゲットサンド「バンミー」なら1ドル以下のこともあります。
一方で、外国人向けのカフェやレストランでは、日本と同じくらいかそれ以上の値段になることも珍しくありません。
交通
トゥクトゥクは距離にもよりますが、市内であれば1〜3ドル程度。配車アプリも普及していて、値段は明朗です。
バイクを自分で持つ人も多く、ガソリンは1リットルあたり4,000リエル前後(約150円弱)。
住居
シェムリアップでローカルのアパートを借りれば月200〜300ドル程度で暮らせます。家具付きや外国人向けのコンドミニアムだと500ドル以上する場合もあります。プノンペンは首都なのでさらに高めです。
日用品
ローカル市場で野菜や果物を買うと非常に安く、パパイヤやマンゴーが1個100円以下。
ただし輸入品(日本食材や洋酒、電化製品など)は日本より高いことも多いです。
カンボジアの「便利さ」と「不便さ」

カンボジアの生活は「便利さ」と「不便さ」が混ざっています。
便利な面
スマホ普及率が高く、配車アプリやフードデリバリーはすっかり定着しました。QR決済や送金アプリも広まりつつあり、現金社会から一気にデジタル化が進んでいます。
不便な面
電気や水道は安定してきたとはいえ、地方や郊外では停電や断水が時々あります。また道路事情はまだ整備途上で、雨季には冠水する場所も。
人々の暮らし
街中でもローカル市場や屋台が生活の中心で、人々は朝から賑やかに買い物しています。日が暮れると家の前で家族や近所の人とご飯を囲む光景をよく見かけ、コミュニティ感が強いのも特徴です。
まとめると、カンボジアの物価は「ローカルに合わせれば安いが、外国人向けに寄ると意外と高い」、生活は「不便もあるけれど、温かくて人との距離が近い」といった感じです。
カンボジアでビジネスをする難しさ

10年暮らしていて、日本企業や個人の方のビジネス立ち上げをサポートしてきた経験から、カンボジアでビジネスを始めるときに多くの人がぶつかる「むずかしさ」をいくつか挙げますね。
1. 法制度や手続きの不透明さ
カンボジアは経済成長が著しい国ですが、法制度はまだ整備途上です。会社設立やライセンス取得の手続きは日々アップデートされていて、役所の窓口でも人によって説明が違うことがあります。
「書類を提出したのに進まない」「担当者が変わったらまた最初からやり直し」なんてことも実際にあります。ここは日本と比べて一番大きなギャップかもしれません。
2. 人材の確保と教育
若い国なので労働人口は豊富ですが、教育水準や職業スキルはまだばらつきがあります。真面目で意欲的な若者も多いのですが、基礎的なビジネスマナーや報連相の文化は日本ほど根付いていません。採用後の教育・定着がビジネス成功のカギになります。
3. インフラの制約
大都市では改善していますが、地方に行くと停電やネット接続の不安定さがビジネスに直結することもあります。物流も道路事情に左右されやすいので、輸送コストや納期のリスクを考えて動く必要があります。
4. ビジネス文化の違い
カンボジアは人間関係をとても重視する文化です。契約書よりも「相手との信頼」が優先される場面が多々あり、日本的な「ルール第一」の感覚とはずれることがあります。交渉の場でも形式より雑談や食事を通じた交流が大切にされます。
5. 為替と通貨事情
カンボジアはリエルと米ドルが併用されています。基本的に日常生活やビジネスでは米ドルが主流ですが、細かい釣り銭はリエルで返ってきます。為替リスクは大きくありませんが、現金取引がまだ多いので管理には注意が必要です。